原文テキスト末尾に「この後滅茶苦茶セックスした。で終わる話を書きたかった」と書いてありました。
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[chapter:「この後滅茶苦茶セックスした。」で終わる文章を書こうと思った] (タイトルままです)(ヒカルが成人してから一人暮らし始めたという捏造設定です)
(ひたすらいちゃついてるだけですが18禁ではないです、せいぜい15禁です)
(それでもよろしければどうぞ)
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夕食の後はだいたい、二人でソファに座ってテレビを見たり、お喋りをしたりするのが常である。日本の大学を卒業してからニューヨークでの留学に伴い一人暮らしを始めたヒカルの許に、ソーはアスガルドからよく遊びに来る。しかしほぼ泊りがけなので、二人して夜遅くまでなんとなくだらだらしてしまうことも多い。
今日はワインを傾けてヒカルが作ったつまみを食べつつ互いに近況を報告し合っていたら、いつの間にか日付が変わっていた。
「あ……ソー、そろそろ寝よう?」
「……ヒカル、明日は大学は休みなのでは無かったか?」
「そ、そうなんだけど……」
酔いが回り始めた頭を押さえながら、ソファに体を預けていたヒカルは体を起こそうとする。しかし胴に手を回してくるソーがのしかかって来るので体がすぐソファに沈む羽目になる。
「早く寝ないと、体に悪いんだよ?」
「む、そうなのか。だが私には関係ない」
「僕には関係あるんだってば」
「そうか……すまん」
ソーがソファに手を付いて体を起こすと、ちょうどソーの身体の下にヒカルがすっぽり収まる形になった。自分に覆いかぶさるソーを見ながら、ヒカルは酔いで思考能力が低下しつつある頭でソーの頬に手を伸ばした。
一方でソーは、自分の頬に触れたヒカルの指先の感触に目を細め、自分もヒカルの頬を優しく撫でた。ヒカルは気持ちよさそうに目を細めてソーの手の中に顔を摺り寄せる。その頬が僅かに赤いのを見て、ヒカルが少し酔っているのだと判断する。
「……ソーの手、大きくて温かいね」
「そうか」
「お皿とか、洗わなきゃ……」
「私がやっておく。ヒカルは寝る準備をしろ」
「うん……」
ソーがヒカルの上からどくと、ヒカルはゆっくりと体を起こした。ソファから立ち上がったヒカルは洗面所へ向かう。ヒカルは酒に弱いわけでは無いが、強いということも無い。それでも酔うまで飲むことはなかなか無いと本人は言うが、ソーと一緒に飲んでいる時はだいたい酔う。しかし今日はいつも以上に酔いが深いように、ソーには見える。
ソーが机の上の皿やグラスを片付けてリビングに戻ると、まだパジャマに着替えてすらいないヒカルがソファに横たわっていた。
「どうした、ヒカル」
「んん……」
ぼんやりと焦点が合っていない目で、ヒカルはソーを見た。ソーが床に膝を突いてヒカルの顔を覗き込むと、ヒカルは甘えるようにソーの首に手を回してきた。引き寄せられるのに合わせ、ソーはソファに乗り上げてソファに横になってヒカルの腰を抱き寄せた。ソファがぎしりと音を立てる。
首に頭をうずめて来たヒカルの頭を撫でながら、ソーは「今日はどうした」と問い掛ける。
「何かあったのか?」
「何かあった……のかな……ゆうべ、夢を見たんだ……」
「夢?」
「うん……ソーが、どこかに行ってしまう夢……」
「ただの夢だ、安心しろ。私はちゃんとここにいる」
「……そうだよね、ただの夢」
ヒカルはそう言って顔を上げ、ソーの顔を見て微笑んだ。
「ここにいるソーは、夢じゃない」
「ああ、そうだ」
ソーがヒカルの前髪を掻き上げて額に口付けると、ヒカルはくすくすと笑って肩を揺らして瞼を閉じた。
ソーはそのまま唇をヒカルの瞼、頬に落とし、最後に互いの唇を軽く重ねた。唇を離すと、ヒカルは瞼を上げて縋るようにソーを見上げた。
「ソー、もっと……」
ヒカルの顔は赤く、瞳は僅かに潤んでいる。
「分かった。お前が望むなら」
そう言ってもう一度ヒカルの唇に自分のそれを重ねると、ヒカルが体をソーに摺り寄せて来た。少しでも強い力を加えればあっさり折れてしまいそうなほどに自分より華奢な体の存在を腕の中に感じながら、ソーは何度もヒカルに口付ける。舌を差し入れれば、ヒカルも控えめに舌を絡めて来た。
互いの口から洩れる息と微かな声が静かな部屋に響く。やがてそこに唾液の立てる小さな水音が混ざる。ソーの舌がヒカルの口腔の内を撫でる度にヒカルの体が震え、喘ぐような声があがる。その声に目の前が眩み、ソーはヒカルを組み敷いた。
体勢を変えてもなお舌を絡め続けるうちにヒカルの四肢からぐったりと力が抜けた。ソーが慌ててヒカルから顔を離すと、唾液が互いの唇の端から糸を引いた。ヒカルは蕩けた顔で頬を紅潮させ、胸を上下させながらソーを見上げている。
「すまん、少しやりすぎた……」
「……平気」
ヒカルはソーを見上げて柔らかく微笑む。
「ソーだから、大丈夫」
「そうか、なら良いのだが」
ソーはヒカルを掬い上げて横抱きにしてベッドまで連れて行くことにした。
「今日は随分と飲んだようだな、ヒカル」
「そうかな……?」
「先まで早く寝ようと言っていたのに、今ではやっていることが真逆だぞ。大丈夫か?人間は二日酔いというものになることがあるのだろう?」
「僕はなったことないよ」
「明日なるかもしれないだろう。……そんなに不安だったのか。その夢が」
「うん……。僕は人間で、ソーは神様だから。そうなる時がいつか来るんだって思うと、怖くて」
「……そうか」
ベッドルームに入り、ソーはヒカルをそっとベッドに横たえた。
ヒカルは人間で、自分は神。住む世界の違いは、自分が世界の境界を飛び越えてくればいい。しかし、自分の生きる時間とヒカルの生きる時間の長さはあまりにも違いすぎる。その事実に、ずきりと胸の奥が痛んだ。
「でも、ただの夢だから。でしょ?」
「……そうだな」
しかしそれを胸の奥に押し込め、ソーは笑う。
「ほら、ソー」
ヒカルに手を伸ばされ、ソーはベッドに上がる。
「早く寝た方が良いのではないか?」
「そうだけど、やっぱり、せっかくソーと一緒だし……」
「そうか」
ヒカルに覆いかぶさってその首筋を甘く噛むと、ヒカルは声を殺しながら身じろぎした。その首筋に赤い跡が残ったのを確認してから、そこに僅かに滲む血を舐め取る。
「んん……」
ヒカルが甘い声を漏らす。耳を打つその声に目が眩むような感覚を覚えながら、ソーはヒカルの服に手をかけた。
この後滅茶苦茶セックスした。