和愁牧場(★)(再録)

「ああっ、あつっ、虎石っ……!」
 地面に四つん這いになった愁を後ろから突けば、背を反らして嬉しそうに啼く。和泉は愁の望み通り、そして自身も朝物足りなさを感じていた分と、愁の腰を掴んでがつがつと奥まで自身を捩じ込んだ。
 愁の腸壁はじっとりと柔らかく和泉を包み込み、その形を確かめるようにして蠢く。和泉の肉棒から滴るカウパー液と愁の腸液がぐちゅぐちゅという水音を立てるが、愁の首に付いた鈴がからから鳴る音で掻き消されていく。
「愁、気持ちい?」
 愁を揺さぶりながら上体を屈めて耳元で囁くと、返答の代わりにきゅうっと愁の中が締まった。射精を促され、和泉は慌てて眉を寄せて耐える。
「っ、愁、ほんっと油断なんねえ、なっ……!」
 耐えながらもわざと愁の弱い所を小刻みに、しかし強く突いてやると、愁は嬉しそうに震えた。
「んんっ! そこっ……ぁあっ!」
 牛だからか、愁は屋外で後ろからされるのを特に好んでいる。和泉としては愁の顔が見られないのが残念なのだが。しかし、快楽にしなる愁の白い背中がほんのり赤く色づく様は、和泉の目にはひどく美しく見えた。
「はぁ、う、――っ」
「愁、こっち向いて」
「……?」
 愁が首を回して振り向く。和泉の目には愁の横顔しか見えない。しかしその横顔は赤く色づき、蕩けて潤んだ瞳からは今にも涙がこぼれそうだ。和泉は朱の差したその目尻にキスをする。
「愁、女の子みたい。やっぱり、おっぱい出るから女の子なのかな?」
「あ、ああっ……」
 だらしなく口を開けた愁の口からは、言葉にならない声ばかりが漏れてくる。和泉は我ながら意地の悪いと思う笑みを浮かべながら、愁の胸の先端を強く摘まんだ。すると愁は歓喜とも悲鳴とも取れる声とともにペニスを震わせ、ぱたぱたと白い雫を溢した。
「ぁ……ああ、はぁ……」
「大丈夫?」
「ん……ぅあ……は、ああ?!」
 和泉は、肩で息をする愁の頭を一撫ですると、その腰をいっそう強く掴んだ。そして、ぱん!と強く音を立てて愁の中へ自身を突き刺す。愁は「うぁっ!!」と声を上げながら海老ぞりになり、いやいやと首を振った。
「も、無理だっ……」
「あとちょっとだけだからっ……」
「はっ、やめろっ……んぁ」
 口ではそう言いながらも、愁は虎石をくわえ込んで離さない。結合部のぐちゅぐちゅという水音がどんどん大きくなり、愁の首の鈴では掻き消せない程になっていく。自身も限界が近いことを悟り、和泉は愁の耳元に口を寄せた。
「愁、出していい……?」
「ん、はやくっ……ひぐっ、あ、」
 愁の声に嗚咽が混じり始めた。今の愁は頭の中全部、いや、体も全部を自分が与える快感に支配されている。それを思うと和泉はぞくぞくと興奮した。勢いよく自身を愁に突き立てると、愁はがくがく揺さぶられながら嬉しそうに啼いた。
「それじゃあ、たっぷり、オレのミルク飲もうなっ」
 和泉は声にたっぷり熱を乗せて囁いて、精を勢いよく愁の中に叩き付けた。愁は歓喜に体を震わせ、きゅっと強く和泉を締め付ける。
「……っ!! あ、ああっ……! 中……虎石の……」
「っ……愁……! はっ……」
 一滴残さず搾り取ろうとするかのように、愁は和泉を強く締め付けた。それがぞくぞくした快感を煽り、和泉は眉を寄せた。すっかり体に力が入らなくなった愁は地面にへたりこんでしまう。
 ずるり、と愁から自身を引き抜くと、悲鳴と共にびくりと愁の体が震えた。
「ぁあ! ……はぁ、ぅ…… 」
「大丈夫か、愁?」
 愁の体を仰向けに横たえ、額に張り付いた前髪をどけてやりながら聞く。すると愁はとろりとした目で和泉を見て、つやつやと色付いている唇を動かした。
「……立てねえ」
「はいはい、お家に連れてってちゃんと洗ってやるからな」
 和泉はそそくさとその場の後始末をして、首から下げたタオルで自分と愁の身だしなみを軽く整えた。
 愁を横抱きして、厩舎へ連れていく。
 愁を厩舎の床に横たえ、愁の着ているホルスタインのビキニを全て脱がす。和泉の目には愁は人間にしか見えないから、今和泉が見ているのは牛の耳のカチューシャと首輪を着けて艶かしくよこたわった全裸の少年である。
 和泉はゴムのホースにシャワーヘッドを取り付けた特製のシャワーからぬるま湯を出し、柔らかいスポンジで石鹸を泡立てると大型犬を洗うようにして愁の体を洗い始めた。体に力が入らない愁は、和泉にされるがままだ。
 和泉の持つスポンジが胸にふれると、愁が体を震わせ、眉をひそめた。
「どしたの愁、ヤったばっかでいつもより感じやすくなってる?」
「違……んぅ」
「明日また、た~っぷり可愛がってやるからな」
 何度も撫でるようにスポンジを愁の胸で往復させるとひくひくと愁の体が震えた。
「っ……」
 愁は恨めしそうに和泉を見て、シャワーヘッドを掴んで手で押さえた。するとシャワーの水の流れが変わり、和泉の方へびしゃりとぬるま湯がかかった。
「うお?!」
 突然のことで避けることも出来ず、頭から水を被る和泉。
「おいこら愁~!」
 和泉はお返しとばかりにスポンジで愁を思いきりごしごし擦ってやろうと飛び掛かるが、体力が回復してきたらしい愁は和泉と真っ向から取っ組み合う。二人がじゃれ合う度にシャワーが暴れ、和泉も愁も全身びしょびしょになっていく。最終的に愁が和泉の手からスポンジを無理矢理奪い取った。
「もういい、自分でやる」
 そう、上から睨むようにして低い声で凄まれる。頭の上から爪先まですっかり濡れ鼠になって床に大の字で転がる和泉は、「わーったよ」と唇を尖らせるのだった。