※カルデア外の現パロ系謎時空です。
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「……わざわざ、姉様方にご足労いただく程の物ではありません」
二柱で一つの女神の大きな妹は、姉達に淡々とそう言った。
「ええ、明日は恐らく暑いですし、姉様方は家でお休みになっていらっしゃった方が……」
「……などとあの子は言っていたけれど、あの子の言う事を聞いてあげる理由なんてなくってよ。ねえ、私
」
「ええそうね私
、私達の目の届かない所で楽しもうだなんて、駄妹が随分生意気になった物ね」
彼女らは、「運動会」という学校行事が開催されている、ごく一般的な高校の校庭に設置された観覧席……いわゆる「保護者席」の中でひどく異彩を放っていた。
まるで彼女達のいる場所だけが、運動会開催中の校庭と言う日常の上に貼り付けられた非日常のテクスチャを凌駕して、地中海のリゾートもかくやといった煌めく空間に塗り替えられているかのよう。
色違いの鮮やかなサマードレス、つばの広い帽子、大きなサングラスに日傘を差してさながらバカンスを楽しむセレブ姉妹といった様相を呈してはいるものの、首からは保護者証のカードが下がっておりその手には受付で貰った運動会のパンフレットがあった。
「次のあの子の参加する種目はいつかしら」
「徒競走ね。ああ、喉が渇いたわ」
「ドリンクをお持ちしました、ステンノ様!」「エウリュアレ様!」
どこからともなく、女神達に魅了された男達が冷えたドリンクを差し出す。彼女らはそれを当然のように受け取りながら、どこか気だるげにパンフレットを眺めた。
そう、彼女達はステンノとエウリュアレ。
妹・メドゥーサの運動会を見に来ただけの、姉女神達であった。
「徒競走……ふふ。メドゥーサは体が大きいのだもの。レンジが違いますわ」
「そうね、きっと一番早いわよね」
「ふふふ」
「うふふ」
「ふふふふふ」
「うふふふふ」
一方その頃、生徒席で髪にリボンを着けた女子生徒が、隣に座る眼鏡をかけた背の高い女子生徒の腕を引いた。
「ねえライダー」
「なんでしょう、サクラ」
「人違いだったらごめんなさい。あそこの保護者席にいるの……ライダーのお姉さん達じゃない?」
「……はい?」
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HF2章と7章舞台を同日に纏めて摂取して急にライダー陣営熱が高まったりカルデアのゴルゴーン姉妹が尊いという感情が昂って合体した結果が何故かこれです。
彼女らに幸あれ