色とりどりに飾られた卵が、カルデアのあちこちに置かれている。
壁にはうさぎや花の飾りが掛けられ、主を信じる者達が祈りを捧げ、子供達は着飾ってパレードやお茶会に興じている。
「なるほど、今日はイースター……復活祭か」
うさぎや卵の飾り付けが為されたケーキが「本日限定!」とデザートのメニューに並ぶのを見てダビデが呟くと、ブーディカが「そう」と頷いた。
それから手際よく、ダビデのトレーに酵母の入っていないパンに羊肉、ニガヨモギの皿を乗せていく。
「はい、あんた達用の過越の祭の食事ね。ケーキはどうする?酵母は入ってないよ」
「それじゃあひとつ、いただくよ」
「了解」
草むらから顔を覗かせる白いウサギの顔を模したカップケーキが置かれるのを見て、ダビデは目を輝かせた。
「これはまた可愛らしいね」
「褒めるならタマモキャットにね。カップケーキはあの子が頑張ったから」
「ああ、そうしよう……」
ふと、ダビデは少しだけ遠い目をした。おや、とブーディカが見ていると、ダビデの唇が小さく動いた。
「……『ダビデの子』の復活を祝う祭、か」
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復活祭の日にTwitterに投稿したもの。
こちらに投げるのを完全に忘れていました……