ソラちゃんはかわいい(ヒカリとソラ)

※ウルフェス2018のステージのストーリー前提。ソラがリブットと一緒にGRFに転属する前

「君の研究とこの試作品、原理は画期的で非常に素晴らしい物だが……汎用性には少々欠けていると言わざるを得ない」
「ええ、分かってます。歌いながら戦うウルトラマンなんて、そうそういませんよね」
 上司であるウルトラマンヒカリの言葉を、私は仕方がないと受け止めた。
 歌声をエネルギーに変換する。それが私の長らくの研究だった。それは一度確かに効果を発揮してウルトラマン達の力になったのだが、この装置は歌唱者が直接操作しないとならない。
 つまり、ウルトラマンが戦う時のエネルギーにするには、戦うウルトラマンが直接歌うか、歌唱者が戦場に居なければならない。それ以外に転用するにしても、歌唱者がずっと歌っていないと持続的にエネルギーを発する事は出来ず、まあ発電装置とかそういう物への転用も難がある。
 そう言った点を総括して汎用性に欠ける、とヒカリ博士は評したのだ。
「だが決して役に立たない訳では無い。これまで行われてきた音をエネルギーに変換する研究の中では、君のこれは確実に最先端を行っている。素晴らしいと思うよ」
「ありがとうございます、ヒカリ博士」
「しかし、君自らこの装置の試験台になるとは驚いた。君の歌の上手さにもね」
「そう……ですね。歌には少し、自信が」
 私が人に誇れるようなものなんて、歌くらいだけれど。
「……昔、幼馴染が褒めてくれたんです」
 私は私の歌声は誇っていいのだと教えてくれた人がいるから、私は私の歌を、誇りに思えるのだ。
 願わくばこれが彼の力になればいいな、なんて。

ウルトラ作品一覧へ戻る
小説作品一覧へ戻る