「ゼロに、弟子が出来たんですよ」
「へえ」
「ウルトラマンZっていうんですよ、宇宙警備隊の新人らしくて」
「はあ」
「素直でいい子なんですよ、いい子すぎて若干心配になりますけど」
「ふむ」
「で……その。Zが、僕のこと兄弟子って呼んで来るんですよね」
「……兄弟子。あ、Zから見ればジードは兄弟子って事か」
「まあ、はい。それで……その、Zの歳が」
「……もしかして。何千歳とかいう」
「そうなんですよー! 五千歳! だいたい五千歳なんですよZ!」
「ああーそれ俺がタイガに先輩って呼ばれた時と同じやつー!」
「僕まだ二十一ですよ! 元々ウルトラマンとして活動してる時は周りが年上ばっかりだったしそんなに気にしたことなかったですけど二百倍以上年上のZに兄弟子って呼ばれてどんな反応すればいいのかよく分かんないんですよ! いやほんと……こんなことギンガ……ヒカルさんにしか相談出来なくて……」
「お前と同じような状況になったことあるの俺しかいなさそうだもんな……複雑なのは分かるぜ……しかもゼロの弟子ですらないだろジード」
「ゼロのことは尊敬してますけど、弟子になった覚えはないですからね僕!」
「ゼロは俺とショウのこと弟子だと思ってるらしいけどな」
「ギンガ的にはどうなんですかそれ」
「否定するのも面倒だし別にいいかなって……でもジードのこと弟子だとは思ってないだろ、ゼロは」
「だと思いますけど……」
「それはそれとしてZはジードのこと」
「兄弟子だと思ってるんですよねえ……」
「それもう放っとくしかないだろ……」
「そうなんでしょうか……呼ばれる僕はどうしても年齢のこと考えちゃって複雑なんですけど……」
「あっちがこっちを兄とか先輩扱いしたらそれはもうそうなんだよ。ウルトラマンってそういうもんなんだよ」
「ゆるゆるですよね」
「ゆるゆる言うな」
「いやあ……でもやっぱりZの歳を考えると……それを言ったらタイガ達も僕よりはずっと年上ですけど……」
「こればっかりはなあ……」
「複雑です……」
「……なんか、頑張れよ」
「はい……」
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ジードの、ゼロのことは大好きだし尊敬もしてるけどゼロの弟子扱いされると「弟子ではない」ってすぐに否定するところ好きです。