※ブレーザーのギンガ客演回の幻覚。思いついたところだけ。
◆◆◆
「待て!」
光の収束する先に、ゲントは手を伸ばした。初めて目にした、ブレーザー以外の「ウルトラマン」。
彼が何者なのか、知りたかった。
自分以外にも「ウルトラマン」と共に戦う者がいるのではないかというこれまで思いつきもしなかった可能性に、自身の変身が解除されたことも気付かず走っていた。
「なんだ、気付かれるの早いな」
光の中から笑い混じりの声が聞こえ、やがて光が弾けて人影が現れる。
オレンジ色を基調とした派手なジャケットを羽織った背中が見える。背の高さと体格から恐らく男……そう検討を付けたゲントは、その背中に声を掛ける。
「君は、何者だ」
男はゲントの問いにすぐには答えず、質問で返してきた。
「あんたがこの世界のウルトラマン……いや、その相棒だろ?」
「……」
ゲントは黙り込む。ブレーザーのことは誰にも──SKaRDの部下達にも話していない。それを見抜くということはやはりこの男は……
「俺は礼堂ヒカル」
男は振り向きながら、そう名乗った。
「あのウルトラマン……ギンガと一緒に戦ってる。よろしく」
笑顔を浮かべたその立ち姿は緩く自然体に見えるが、全く隙がない。特殊部隊か諜報活動の経験があるのだろうか、エミとはまた違ったタイプだろうが……警戒と共にそう思考を巡らせながらも、ゲントは名乗るために口を開いた。
「……俺は、ヒルマ・ゲント。ブレーザーと共に戦っている」
「ふうん、ゲントとブレーザー……」
ヒカルと名乗ったその男はゲントをじっと見てから首を傾げた。
「いや、ゲントさんかな?あんた俺より歳上みたいだし」
「どちらでも構わないが……俺も、君のことはヒカルでいいのかな」
「いいぜ、ヒカルで」
ヒカルは右手を差し出してきた。
「改めて、よろしくな」
敵意があるようには見えず、ポケットの中のブレーザーも大人しい。ゲントは自身も右手を差し出し、握手に応じた。
「ああ、よろしく」
互いにしっかりと手を握ったその時、ヒカルの手に確かな体温があることに、どういうわけかゲントはひどく安堵した。
ヒカルさんとゲント隊長の絡み無限に見たいと思ってるんでこのネタでまたなんか書くかもしれないし書かないかもしれない。